ベトナムの「13か月目の給料」とは?テト賞与との違いと税務処理まで徹底解説
1. はじめに
ベトナムで事業を運営する企業にとって、給与制度は重要なポイントの一つです。特に、日本にはない「13か月目の給料」という制度があり、初めて進出する企業にとっては馴染みがないかもしれません。本記事では、「13か月目の給料」の概要と、テト賞与との違い、そして税務上の取り扱いについて詳しく解説します。
2. 「13か月目の給料」とは?
「13か月目の給料」(13th-month salary)とは、年間12か月の給与とは別に、年末に追加で支払われる給与のことを指します。これは労働法で義務付けられたものではなく、企業が自主的に支払う制度ですが、多くの企業で慣習として定着しています。
通常、12月または旧暦のテト(旧正月)前に支給されることが一般的で、金額は基本給1か月分が目安となります。しかし、企業によっては業績や従業員のパフォーマンスに応じて変動するケースもあります。
3. テト賞与との違い
ベトナムには「テト賞与」という概念もあり、これと「13か月目の給料」が混同されることがあります。
13か月目の給料:年末またはテト前に支払われる追加給与。企業の業績にかかわらず、制度として支払われることが多い。
テト賞与:企業の業績や従業員の貢献度に基づいて支給されるボーナス。必ずしも1か月分とは限らず、企業によって異なる。
つまり、「13か月目の給料」は定例的に支払われるものですが、「テト賞与」は企業の業績により変動するボーナスと言えます。
4. 税務上の取り扱い
「13か月目の給料」および「テト賞与」は、従業員に支払われる所得であるため、個人所得税(PIT)の対象となります。具体的には以下のような税務処理が必要です。
個人所得税(PIT)
PITの計算には、総収入から控除項目を差し引いた後の課税所得を基に累進課税が適用されます。
「13か月目の給料」と「テト賞与」は通常の給与と合算され、課税対象となります。
社会保険・健康保険・労働組合費
ベトナムの社会保険(SI)、健康保険(HI)、労働組合費(TU)の計算対象となる給与には含まれません。ただし、企業が自主的に「13か月目の給料」を月次給与に組み込んでいる場合は別途考慮が必要です。
法人税への影響
企業が「13か月目の給料」を支払った場合、その費用は法人税(CIT)の計算上、損金算入が可能です。
ただし、正規の給与支払いとして処理し、適切な税務申告を行う必要があります。
5. 企業が取るべき対応
企業がベトナムで「13か月目の給料」を導入する場合、以下の点を検討することが重要です。
支給の明確化:就業規則や労働契約書に明記し、従業員に説明する。
税務コンプライアンス:個人所得税や法人税の適用を確認し、正しく申告する。
支給時期の調整:テト賞与とのバランスを考慮し、財務計画に組み込む。
6. まとめ
「13か月目の給料」は、ベトナム特有の慣習として広く定着しており、労働者のモチベーション向上にも寄与する制度です。一方で、テト賞与との違いや税務処理について理解し、適切な対応をとることが重要です。ベトナムで事業を行う企業は、この制度をうまく活用し、従業員の満足度向上と企業の安定経営を図るべきでしょう。
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